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0003-03

 午前中は探索者ギルドの出張所へと足を向けた。

 養成所には、各種ギルドの出張所がある。テュパンにあった4ギルドだけでなく、他の街に行かねばないものも含まれているようだ。最も、この出張所では所属ギルドの変更(つまりクラス登録を根本から変えるわけだ)は出来ないので、現時点で自分が所属しているギルドにしか縁はないわけだが、
 自分の登録番号等を告げると、クラスチェンジですねと返された。驚きが口を衝いて出た。もうそんな力量(レベル)に達しているのかと。疑問をそのままぶつけると、下位クラスの場合であれば特に探索等をサボったりしていない限り、トントン拍子に中位に上がるのだそうだ。一体このシステムがどうなっているのか詳しい事は良く判らないが、大人しく倣って事にした。
 提示された中位クラスは4種。レンジャー、ローグ、ニンジャ、トレジャーシーカーだ。ここで希望した後、2~3時間の講義が行われる。選択したクラスに相応しい振る舞いを教わり、自身の認識を高めるというご大層な意義があるらしい。なんだかなと思わんでもないが、内容が案外面白かったから良しとしよう。
 俺が選んだのはニンジャだ。午後には講座を申し込んでいたので、余計な手間は掛けられない。その為にほぼ語感だけでクラスを決めたんだが、俺のこの選択は、俺の方向性ととさほどずれはない筈だという確信がある。
 まず宝物を発見してどうというところに食指が働かないので、トレジャーシーカーは論外。
 ローグなんていうと、小手先がどうとかよりもどうにも「破落戸」というイメージの方が強い。どちらかといえば破壊力よりだろう。
 レンジャーとニンジャで迷ったのだが、ふと浮かんだのが「遠距離攻撃」と「近接攻撃」という差違だった。この講座の序盤こそ俺は弓を使っていたが(以前多少なりと習った事があった)、実際の所、小刀で切り込む方のが性に合っている(というか、弓よりは心得がある)。実際、申請後行われた講義(因みに実践等は行われず、全くの聴講式だった。…それで本当にいいのかは、多少理解に苦しむ)を受けてみても、成程と納得する事の方が多かった。
 以上の事から俺はこれからクラス・ニンジャとして気持ちも新たに講座に向かうわけだが、やはりその時は勢いだけだった事を否定出来ない。今後はもう少し下調べという事に気を配ろう。そもそもこの出張所に足を向けた理由も、チャクからその辺りの仕組みを耳にしただけだという単純極まりないものだったからだ。

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