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0007-02

「あ、うん、ぼくも中位クラス登録したよ。んとね、コンジャラー。なんていうのかな、精霊召喚? まぁ召喚ていうより、まだ力をちょっと借りるっていう程度だけど。召喚するのは上位クラスにサマナーっていうのがあってね、ぼくは次それになるつもり」
 相変わらず、よく喋る。まあ、2日やそこらでやたら鬱ぐようになられても、今後暫く同行者になる以上、俺が困るが。
 今俺達は冒険者組合に向かっている。パーティ登録をする為だ。
 自身の居場所が生死判断に繋がるような現状、パーティ登録もそれと同じ様な理由で推奨されている。ほか、力をカサに着て一般の皆様方に迷惑を掛ける様な輩がいないとも限らないので、その牽制の意味もある様だ。事が起きた場合に、身分の割り出しが容易になるとか。
「あっ、そうだそうだ、ねぇ、あの最終試験ってちょっと詐欺っぽいよね」
 唐突にチャクが切り出した。
「だってぼく、気絶したのに合格しちゃったよ。なんか頼んだヒト?が気絶してなければいいみたいだね」
「…話からするとそうだな。俺の場合は逆だったが」
「ん? 気絶しなかったんだ?」
「いや…最後の最後、デカいのを喰らった。炎の魔法狙いで魔術師を連れて行ったら、そいつは初撃で潰れた。だからまぁ、落ちてるんだが……なぁ」
「ん?」
 合格したのなら悪いが、しかしこのままではなんというか、気分的に納まりが付かない。
「暫く公社で仕事だなんだした後、もう一度試験を受けに行っても良いか。合格…はまぁ、もうどうでもいい様な気がするが、どうせなら気絶せずに残りたい」
 多少ごねられるか、そう思っていたのだが、あっさりとチャクは首肯した。
「別にいいよ? じゃあそうしようね。とりあえず上位クラスになれるくらいまで簡単なディオーズ狩りでもしようか。ぼくも早くサマナーになって、ちゃんとしたの召喚してみたいしね~」
 召喚。どうも俺にはそういう方面はピンと来ない。
「召喚って、何が喚べるんだ? さっき云ってた精霊とかか」
「それもあるけどねぇ、上位の上位になると、必殺技でね、凄いのが喚べるんだよ」
 そうして、さらりとチャクは口にした。
「んね、上級悪魔って、見てみたくない?」

 今後パーティを組むにあたって、さすがに一抹の不安を覚えた。

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