Entry

リプレイ1-1:柿っ八を拾う。

そんな連想変換はさておいて、サラトマリプレイもどきだよ!
っていうか、キュウリ戦士のキャラが、なんかユキ兄さん@みんクエと被ってます。いかんいかん。<楽なんだあの手の投げっぱなしキャラは…


かなり捏造するつもり満々だったけど、今のところそれほど酷くは無いらしい(本編を読む)

サラダの国、というものがある。
そしてどうやら旅人兼剣士であるところの俺はその国の人間では無いらしい。
無いらしいとはつまり、多分記憶があやふやで、なんとなく外部から与えられている情報を元に、過去の記憶の再構築を随時行っている状態なのじゃないかと思うからだ。
とりあえず、何故か今俺はちょっとした使命感を持っていて、その使命感の向けられている先は「トマト姫を救い出すこと」であるらしい。
トマト姫とはこのサラダの国の王女であるわけだが、大臣のカボチャが謀反を起こしウツボ山脈麓に居城を構えた際に攫われている。
国はカボチャ大臣改め大王の支配を受け、それに迎合する人間により圧政が敷かれているらしい。トマト姫の父である国王が心労により死去して後は、それまで要職に就いていた人間が悉く捕らえられる等してますます酷いモノとなっているらしい。

―――それでどうして、よりにもよって一介の剣士らしい俺が姫を救おうなどと思ったのかが謎だ。
「どうしたんですか親分。ぼーっとしちゃって」
横にいた小煩いカキがまた、ひとりで喋くりだす。上述の現在の情勢等々は全て、この柿から仕入れた情報(と、その刺激によって引き起こされた俺の記憶)だった。
こいつはつい今し方、サラダの国の中心部であるサラダロアの街に向かう道の途中で行き倒れていたのを助けてこっち、勝手に人を親分などと呼び、人の物をひったくるように荷物持ちを買って出て、そしてどうやら金魚の糞になるつもり満々らしい。
迷惑極まりない。

出会ったのはパセリの森の中だった。不得意な人間はどこまでも不得意だろうパセリの香りあふれる道のど真ん中で、しゃがみ込んでえづいて居たのが目の前の柿小僧だ。
「み……みず……」
どうやらのどが渇いて仕方ないらしいが、生憎俺の手持ちの水も、人にやれるほど量があるわけではない。
待っていろと云うだけならタダなので、とりあえず気を持たせるだけ持たせて先に進んだ。

街に向かう途中で十字路に出た。道しるべによるとそのまま道なりがサラダロアの街だというので向かったが、門衛が立っていた。通行証を持っていなければ、この門を通すわけにはいかないという。荷物を全てひっくり返してみたが、生憎そんなモノは持っていなかった。というか、どうしてそんな状態で旅をしていたんだ、俺は。我ながら理解に苦しむ。

仕方なし、十字路まで戻り街を背に左手に進んだ。標にはオニオン湖と書いてある。
湖側から街の塀でも乗り越えられないかと、若干の期待を込めては見たが、そこからは到底向えそうになかった。湖と木々と、そしてもう一人の王女アップルを祀っているらしいお堂の他に、目を引くモノは無かった。祀られてるってことは、死んでるのか、この王女?
ともあれ、ふと思い立ち空いていた水袋でオニオン湖の水を掬う。飲料水になるかどうかは、あの柿が判断してくれることだろう。

そして、その水が効き過ぎたのか、この状態の柿だ。
「親分、おいらノーミン族から逃げてきたんだ。まだ仲間が沢山捕まってる。早く助けないと」
やはり放置すれば良かった。小煩さのみならず、コイツの話には人に物事を説明するに当たって必要な物事が壊滅的に抜けている。
しかし、莫迦とハサミは使いようという有り難い先人の言葉もある。何故か記憶の乏しい俺は、ひとまずこの柿を質問攻勢に遭わせることにした。
ノーミン族とは。サラダの国の人口の大半を数えるヤサイ人達を食う傾向のある、極めて危険な人種であること。ついでにカボチャと手を組んで、カボチャ以外の野菜を食うつもりらしい。一体カボチャはこいつらにどんなエサをぶら下げたんだ。カボチャだけ穏便に済んでいる理由がさっぱり判らん。皮の処理が面倒だからか?
逃げてきたとは。パセリの森方面でノーミン族に捕まった。サラダロアの街には、他にも捕まっている仲間がいる。ノーミン族から逃げてきて仲間というからには、それに対抗する連中なのだろう。
ならば、恩を売ることは吝かではない。とりあえず手を貸すことにしよう。
「おいら、がんばるからね」
とりあえず、その煩い口をふさげ。

Pagination

Trackback

  • トラックバックはまだありません。

Trackback URL

/trackback/347

Comment

  • コメントはまだありません。

Post Your Comment

  • コメントを入力してください。
登録フォーム
Name
Mail
URL
Comment
閲覧制限
投稿キー(スパム対策に、投稿キー を半角で入力してください。)

Utility

Calendar

03 2024.04 05
SMTWTFS
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

Tag Crouds