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リプレイ1-2:通行証。

ええと、このリプレイ私は酷く楽しいのですが、いいでしょうか、こんな記事があっても。
どうでもいいけど、サラトマは最短コマンドだけで進むと(且つ、迷路で道に迷わない前提で)、1時間ちょい有れば終わってしまうことに気付きました。
つうか、通勤の行き帰り([es]でプレイ)で普通に終わったよ……方向野菜取り忘れててウツボラの洞窟でちょっと泣きそうになったよ…

仕方ないのでDQ3をまたポチポチとプレイしていましたが、漸くレベル20代が出てきてくれました(戦士)。チャっくん(魔法使い)の賢者転職まであと経験値数千。…長いんだか短いんだか。
↑未だにテドンの周りでレベルと金稼ぐの頑張ってるわけですよ。
↑なんであのあの辺り装備品がインフレ起こしてるんですか。
↑未だに勇者と戦士は鋼の剣で頑張っています。
↑ゾンビキラーとか買えない。高くて。

柿はパセリの森から逃げてきたと云っていた。パセリの森には、あの街とオニオン湖との道が交わる十字路の、街に向かって左側の道を行くと辿り着くらしい。
サラダロアの街に仲間がまだ捕まっているとか云っていたような気もするが、どうせ通行証のない身分では全うに向かうだけ無駄だろう。それよりは別口を探した方が賢明だと思われた。

―――思ったが、パセリの森への道は、見事なまでに封鎖されていた。立ち入り禁止区域のマークまでご丁寧に飾られている。
暫く様子を窺っていると、茂みから何かが飛び立った。
「あ、サクランボ鳥ですよ、親分」
そういえば存在を忘れていた。確かコイツはこの森から逃げてきた筈なんだ。何か入る手立てでも知っているかも知れない。
「親分、どうしましょう?」
それは俺の台詞だ。
柿に見切りを付け、とにかく金網の破れ目でも無いか探すことにした。
…ふと、茂みの奥の方に、白っぽい何かが目に入った。気になり、奥を漁る。
「あ! レタス王子!」
柿が叫んだ。顔(レタス部分)だけ出た状態で土に埋められている。
―――レタス王子はメークイン4世の子供であり、オニオン王の治めるサラダの国と縁戚関係にある王家の者だ。
なんとなくそんな知識が蘇りつつ、とりあえずぐったりと水気のないレタスに
「親分、レタス王子、ちょっとひからび気味ですね」
そう、さっきこの柿で立証済みの、無駄に生気があふれ出るらしいオニオン湖取れたての水を…

……ぐったりした相手に、どうやって飲ませれば。

「ありがとうございました。おかげで助かりました」
身体全体が埋まっている状態でそんな台詞を吐かれても今ひとつ信憑性に欠けるが、本人が助かったと云っているならそれはそれで。
ちなみに水は、アタマからかけた。これはこれで葉物をしゃきっとさせるには有効だったようだ。
レタス王子は、先程の柿の言い分を、しっかりと補足してくれた。いい人材だ。ついで、反対側の茂みの方に抜け穴があり、その奥にまだ数人捕まっているという。先にそちらを助けてやってくれとの事だった。王族にしては、なかなか殊勝な心がけの人間だと感じ入る。云いすぎだろうか。
それはそれとして、この柿はどうやらレタス王子と顔見知りだったらしいが―――
まぁ、捕まった先でたまたま顔見知りになった程度だろうなと勝手に結論づける。
これが王家に仕える人間だなどと云われたところで、信じたくもない。

抜け穴とやらをくぐってみると、隅の方にノーミン族が開墾でもしたらしい一角があり、そこに4人のヤサイ―――ハクサイ・メロン・キャベツ・スイカが埋められていた。どれも一様にしなびているので、(半分は葉物ではないが)取り敢えず水を掛ける。…一通り意識を取り戻したようだ。
全員、一様にメロンが酷く弱っているのでこいつの回復を待って抜け出すとか何とか言っているが…
レタス王子の時も思ったが、その完全に埋まった状態で誰の手助けも無く穴から這い出られるものだろうか。
「私の、代わりに……」
と、一番弱っているらしいメロンが何かを差しだし……差し出し!? お前手、出せるのか!? その状態で!?
口から出掛かった「お前ら本気でとっとと逃げるとかなんとかしておけよ」という単語を飲み込んでメロンの言葉の続きを待つ。その手にはサラダロアの街への通行証が握られていた。
そういえば、レタス王子もサラダロアの街にまだ仲間が捕らわれていると云っていたなと思い、メロンに頷いて通行証を戴いた。

…十字路に戻りながら矯めつ眇めつしてみたが、借りてみたモノの色々おかしくはないか。メロンは確かにウリ科キュウリ属で分類こそ似ているかも知れないが、見た目は全くといって良いほど違う。
門兵が、この通行証の一部を飾る本人写真を見逃す筈がないと思うのは、俺の気の所為か。

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