0010-01 (0020)
「確かそちらの方は合格されていたと思いますけれども、宜しいのですか?」
やはりこの白い上衣が決め手なのだろうか。メイアは、受付で見せた吃りなどどこへやら、淡々と喋る。
養成所の中庭。今日も陽光は緩く差し込み辺りを照らす。
「んと、ぼくは付き添いなので~」
「でも、試験は受けられるのでしょう?」
「そうですねぇ。いちおう。付き添いなので」
付き添い付き添いと煩い。確かに再戦を頼んだのは俺だが、嫌なら嫌で部屋で待っていてくれても全く構わなかったのだが。
こほんとひとつ咳払いをしてから、メイアは続けた。
「では、以前にも行った話ですけれども、最終試験について、再度ご説明させて戴きます──」
「例えば、パラディンでダメだったら次ウィザードにする?」
「パラディンでの結果次第だろうな。“運が悪かった”って事もあるかもしれない。ウィザードが一撃でやられたのと同様に」
助力者の待つ部屋に向かいながら、チャクと軽く打ち合わせる。
「だが」
扉の前で、姿勢を正す。
「お前は実際それで成功してるんだ。なら成功した方を採るのは当然だろう」
「まぁそうだね。それじゃ~お願いしましょうか~」
ノックを、ひとつ。